開院116年の歴史ある歯科医院 歯科・矯正歯科の久野歯科医院です
皆様に役立つ矯正歯科の情報をわかりやすくお伝えします
小児矯正から犬歯の萌出遅延、牽引した治療例(続き2)
生えてこなかった下顎左側犬歯を開窓、牽引し部分矯正にて歯列弓内に取り込みました
治療経過:その11
ブラケットを外して舌側にフィックスリテーナーを接着しました
T4Kトレーナー・マイオブレイスはとても優秀な既成の顎機能矯正装置ですが、萌出してこない歯を牽引して歯列弓内に取り込みを図るには他の治療手段が必要です
部分矯正は治療の部位が限定されますが決して本格矯正に比べて簡単で容易い治療ではありません
治療のために使用する装置も他の歯に反作用の影響を少なくするためには大掛かりなものになる場合がしばしばあります
当初の処置方針ではT4Kトレーナー・マイオブレイスの使用と機能訓練にて永久歯列の完成に導く予定でしたが下顎左側乳犬歯の晩期残存と歯牙腫の存在で下顎左側永久犬歯への正常な交換ができませんでした
下顎前歯のガタガタ(叢生)も目立ってきていたので下顎の歯列弓の改善を行いました
上顎の歯列弓はBWS(ベントワイヤーシステム)にて拡大した後から矯正治療を加えておりません
治療前のお口の中の歯ならびの状態です
治療途中の歯ならびの状態です
T4Kトレーナーの治療効果により下顎前歯の叢生の改善がみられますが、下顎左側の乳犬歯の永久犬歯への交換が行われておりません
下顎前歯の叢生の改善と犬歯の取り込みの部分矯正の治療後の状態です
部分矯正のために前歯の咬み合わせはやや深く上顎前歯の突出もあります
右側の臼歯関係は1対1歯」左側の臼歯関係は1対2歯になっています
矯正歯科治療も他の歯科治療と同じように想定外の状態が起こっても柔軟に対応することが必要となってきます
患者様には治療期間の延長や治療方法の変更、治療費用について十分な説明をしなければなりません
久野歯科医院 院長
久野昌士