愛知県知多市エリアをメインに、患者様のお身体に負担の少ない矯正歯科治療を努めております、久野歯科医院の院長です。皆様に役立つ矯正歯科/歯科に関する情報を分かりやすくお伝えします。
インターネット上への掲載了承をいただきました、知多に在住の患者様の治療報告をいたします。実際にどう歯科治療が行われていくのかについて症例写真と共にご紹介します。
【更新日】2023年7月31日12:00
上下顎前突の矯正歯科治療及び上顎前歯の審美修復
患者様の概要について/ご相談内容と診断
患者様は口元の前突感(前歯の出っ張り)を主訴として、お母様と共に今後の矯正歯科治療のご相談で来院をされました。
お母様のご見解としては「お口を開けている時間が長く、無理に口を閉じようとすると口元の周辺に緊張がある」とお話しされました。
こちらの患者様の初診時は小学6年生と永久歯列の完成直後でした。歯列弓に特に大きな乱れ等はありません。ですが上顎左側中切歯が歯髄壊死を起こしており、歯の変色と形態の不調和があります。中切歯の横幅が広く大きいのが特徴です。
そのかわりに両側の側切歯が小さくなっています。当院での診断の結果、上下顎第1小臼歯の抜歯が必要であるとご本人とお母様へとお伝えしました。
ひとまず無料矯正相談を終了し、半年ほど時間の経過後に本格矯正治療をご希望で再びご来院をされました。
矯正歯科治療~処置方針~
上下顎前突の口元の突出・緊張を治療するため、上下顎の第1小臼歯の抜歯を行って獲得したスペースを利用し矯正治療を行います。
上顎中切歯の横幅が大きく側切歯が矮小傾向にあるので、側切歯をダイレクトボンディングによって形態修正を行います。そして変色した左側中切歯は、硬質レジンによるラミネートべニアで歯冠修復を予定します。
「歯が短い」とのお母様からのお話から、動的治療終了後に歯肉の整形手術も必要に応じて行います。
矯正歯科 治療経過(その1)
スロット(溝)が金属になっているプラスティックブレース(ブラケット)を各歯へと接着。上下顎第1小臼歯の抜歯を行い、0.14ラウンドのニッケルチタンワイヤーを装着します。
患者様のご希望で、唇側のホワイトコーティングの施されたワイヤーを使用。
矯正歯科 治療経過(その2)
断面の4角のニッケルチタンワイヤーから0.16×0.16ステンレススチールワイヤーへと順次交換し、矯正治療を進めます。
時間の経過とブラッシングにより、ワイヤーのホワイトコーティングが剥げてきています。
前歯の後方移動(アンテリアリトラクション)と、エラスティック顎間ゴムによって臼歯関係の改善を行います。
矯正治療 経過(その3)
動的な矯正治療が終了しました。変色した左側中切歯根尖部相当部位に瘻孔(膿のでる穴)が確認できました。根尖病巣の根管治療を行います。
歯の縦幅(長径)と横幅(幅径)のバランスが悪く、「歯が短く」感じられるため、歯周外科にて歯肉の整形も行います。
矯正歯科 治療経過(その4)
左側中切歯の根管治療が完了し、歯周外科による歯肉の整形によって、歯冠(幅径と長径)のバランスも良くなりました。
変色した左側中切歯へ硬質レジンを材料としたラミネートべニアにて、歯冠修復を行います。
矯正治療 経過(その5)
左側中切歯は、硬質レジンを使用したラミネートべニアで歯冠修復をしました。
硬質レジンの材料が現時点では限られており、両隣在歯と色彩的にはマッチしていませんが、k.m様の年齢を考慮したもので、今回はあくまでも暫間的な歯冠修復となっています。
上顎両側の側切歯は、ダイレクトボンディングにて修復しました。
お口の中の加齢的な変化も考慮に入れ、k.m様が成人され20歳代になりましたら、セラミックを材料としたラミネートべニアに再修復を行う予定です。下顎前歯の歯肉の腫れも消退傾向です。
矯正歯科治療前の横顔です。口を閉じると口元に緊張がみられ、突出しているのが分かります。
矯正治療後の横顔です。口元の緊張がとれて、スッキリとした口元になりました。
矯正歯科治療から根管治療・歯周外科・審美修復と治療の流れを止めることなく、同一の歯科医が包括的に治療が行えることも久野歯科医院の強みと考えます。また、矯正治療では副作用として、むし歯の発生や歯周疾患の悪化の危険性以外にも、歯根吸収・歯髄変性・歯髄壊死・歯根破折などのリスクがあり注意が必要です。
≪治療内容詳細≫
動的治療期間:約3年間、治療費用:60万円(硬質レジンラミネートべニア処置を含みます、根管治療、歯周治療は保険治療で含まれていません)
——記事の執筆者紹介——
矯正歯科治療でお悩みの患者様の疑問・不安へお応えします!
知多 矯正歯科治療相談室 運営
久野歯科医院院長 久野昌士
【院長の主な略歴について】
・昭和57年:東京歯科大学を卒業。
・昭和57年から昭和61年:東京歯科大学補綴第二講座に在籍する。
・昭和62年から平成1年:愛知学院歯学部口腔外科第二講座研究生。
・名古屋YDCAスタディグループに所属
「コンプリートデンチャー研究会」へ在籍しつつ
名古屋顎矯正研究会等へと参加。
より良い矯正歯科治療を患者様へとご提供できるよう、
新たな治療技術・歯科知識を積極的に取り入れる。
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