矯正治療中の痛みの種類と対応策

矯正歯科治療をご検討されている方や治療中の方に役立つ歯科関連の情報をお伝えしている、知多 矯正歯科相談室 院長の久野昌士です。

本日は多くの患者様が気にされる、矯正歯科治療を行う際の痛みとそれに対する対応策についてを詳しく解説いたします。現在治療を行っている際中の方も、これからの治療を考えている方にもとても参考になる内容です。

当院には愛知県知多市南部からも多くの患者様がお越しになっています。「実際に直接治療について、詳しく一度相談したい」といった方はお気軽にご連絡下さい。様々なお悩みや心配について、分かりやすく見解をお話します。

【記事のアップデート日時:2023年11月20日(月)14時】

 

矯正歯科治療中に生ずる痛みについて

患者様が矯正歯科治療を見送られるご理由・デメリットの一つとして、治療中に感じる痛みが大きな要因として挙がるのではないでしょうか?

矯正治療中の痛みには様々な種類があります。歯を移動させるときに起こる痛みブラケット(ブレース)と唇などの軟組織の接触で起こる口内炎による痛みワイヤー後端が頬の奥などの口腔軟組織を傷つけることによる痛み抜歯による痛みなどがあります。

 

ブラケットによる口内炎等の痛み

八重歯(犬歯低位唇側転位)等で歯列弓から外側へ外れた歯へ装置を付けることで、唇などの口腔軟組織を傷つけ、口内炎が発生しやすくなります。

 

こちらへの具体的な対策としては、歯科医院でお渡しする専用のワックスを口内炎の原因となる、突出しているブラケット(ブレース)へ付ける方法があります。この処置により刺激を少なくすることができます。

 

そして、ワイヤーが入りレベリングが進んでくると生体反応もあり、次第に口内炎の痛みは少なくなってきます。ワイヤー後端による軟組織の傷の痛み レべリングが進んできて、叢生等の改善がみられてくると歯列弓が整ってきます 。

 

他、犬歯・前歯の後方移動(リトラクション)が進んできた際、ワイヤー後端が後方のチューブから突出し、奥歯の頬の粘膜を傷つけることが要因で痛みが発生します。

こちらへの効果的な対策は、適正な長さにワイヤーを切断し後端をしっかりと曲げます(シンチバックと呼ぶ) さらにワイヤー後端部をソフトレジンで覆うといった方法もあります。
この2つの対策によって、治療時に感じる痛みを軽減・解消することが可能です。

 

歯を移動させる時に生じる痛み

矯正歯科治療で最も患者様を悩ます痛みがこちらです。

ブラケットを付けワイヤーを装着して暫くすると、その日の内に上下の歯を接触させた際「歯が浮いた」ような持続的痛みが出てきます。

こちらの痛みの程度は個人差がありますが、どうしても避けられない痛みです。この痛みはブラケットとワイヤーをしっかりと結紮したり、ワイヤー交換を行う度、程度の大小はありますが起こります 。

 

痛みのピークは、一般的に数日ほどで1週間前後で徐々におさまります。

また、この歯を移動させる際に起こる痛みは違和感を含め、小児のT4Kトレーナー・マイオブレイスなどの既成の顎機能矯正装置や、インビザライン・アソアライナーに代表されるアライナー矯正(マウスピース矯正)でも発現をします。ですが症状は比較的軽いです。

 

こちらの痛みへの対策もあります。上下の歯を接触させた時の痛みには効果は少な目ですが、一時的な自発痛が強ければ痛み止めの使用も可能で、一定の効果を期待できます 。

一般的な痛みに対して、歯科医院でよく使用される鎮痛剤にはロキソニンボルタレンのような非ステロイド性の抗炎症薬(NSAID)があります。

 

歯の移動は、牽引側と圧迫側にて 破骨細胞と骨芽細胞の働きにより、骨の吸収と添加を繰り返しながら起こります 。

矯正力の加わっている歯には炎症反応が起こっており歯の移動が行われるため、非ステロイド性の抗炎症薬(NSAID)を使用することで炎症を抑えることになり、歯の移動が起こりにくくなります。

そのため、使用する鎮痛剤は抗炎症効果のないアセトアミノフェン(カロナール)を使用すると良いでしょう。

アセトアミノフェンは非ステロイド性の抗炎症薬(NSAID)のように、副作用としての胃腸障害が少なく、妊婦や小児にも使用できる安全な解熱鎮痛剤です。ロキソニンなどの抗炎症薬に比べ、アセトアミノフェンの鎮痛効果はマイルドですが1回に1錠500mgものを2錠飲むことができます。6時間おきならば、4回(4000mg)まで飲むことが可能です 。

 

その他にも別の方法として、氷を口に含んだり、冷やすことで痛みを和らげることもできますが、同様の理由で歯の動きが弱まる可能性があるため注意が必要です 。

 

抜歯による術後の痛み

矯正歯科治療で適正な位置へ歯を移動させるスペース確保のため、抜歯・親知らずの抜歯時に非ステロイド性の抗炎症薬(NSAID)にて対応します。術後の感染が起きないように抗生剤の投与が必要です 。

 

矯正歯科治療時に起こる痛みについて、あらかじめ発現する痛みの原因その対応策を理解した上で上手に痛みと付き合う姿勢が痛みの軽減に役に立つと考えます。

また、治療時の痛みに関して無理をして我慢するのではなく、適宜信頼できる歯科医師に連絡と相談をし、無理なく適切に治療に取り組むことも重要と言えます。

 

——記事の執筆者紹介——
矯正歯科治療でお悩みの患者様の疑問・不安へお応えします!
知多 矯正歯科治療相談室 運営 久野歯科医院 院長 久野昌士

【院長の主な略歴について】
・昭和57年:東京歯科大学を卒業。
・昭和57年から昭和61年:東京歯科大学補綴第二講座に在籍する。
・昭和62年から平成1年:愛知学院歯学部口腔外科第二講座研究生。
・名古屋YDCAスタディグループに所属
「コンプリートデンチャー研究会」へ在籍しつつ
名古屋顎矯正研究会等へと参加。
より良い矯正歯科治療を患者様へとご提供できるよう、
 新たな治療技術・歯科知識を積極的に取り入れる。
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