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【小児矯正症例】T4Kトレーナーによる矯正歯科治療その2(知多市大草在住s.h様)

「目立たず無理せず背伸びせず」開院して116年の歴史のある歯医者 久野歯科医院です

知多市大草在住の男性:T4Kトレーナーを用いた矯正症例その2

治療を受けられる患者様の概要

s.h様は咬み合わせが深く上顎の前歯の突出のため口元の緊張を主訴としてお母様とご一緒に来院されました。

前歯の咬み合わせが深く、過蓋咬合の状態です

下顎の前歯が正面からほとんど見ることができません

上顎前歯の前方に突出しています。

お母様曰く口元、歯ならびがお父様そっくりとのことでした。

矯正歯科治療の処置方針

咬み合わせが深く上顎前歯の突出がありますが、歯列弓に乱れはありません

混合歯列期ですが上下の第1大臼歯の臼歯関係は良好です

治療には既成の顎機能矯正装置であるT4Kトレーナーを使用して、併せて筋機能訓練(MFT)を行います

矯正治療の治療経過1

お母様とご一緒にT4Kトレーナーの使用方法と取り扱いの説明を行い、口呼吸をやめ、鼻呼吸を意識すること

鼻呼吸がいかに大切か、舌の正しい位置の説明をいたしました

T4Kトレーナーの説明と機能訓練の指導を行って2週間後に来院してもらい、装着の状況や問題の解決法などの相談を受け付けました

矯正治療の治療経過2

順調にT4Kトレーナーも受け入れられ、4か月後にははっきりと深かった咬み合わせが明らかに改善しました

矯正治療の治療経過3

乳歯から永久歯への順調な交換を確認するため1か月に1度の来院をお願いしました

機能訓練については嚥下の確認を行ったのみでした

矯正治療の治療経過4

永久歯への交換がすべて完了しました

前歯の過蓋咬合(深いかみ合わせ)は改善され前歯の突出はなくなりました

側方歯の咬み合わせは1対2歯の状態となり、犬歯関係、臼歯関係ともに良好です

筋機能訓練は院内では指導のみ行いました。

家庭での機能訓練の励行、ご家族の協力と患者様のT4Kトレーナーの正しい使用により円滑に治療がすすみました

BWS(ベントワイヤーシステム)は適用せず、T4Kトレーナーのみの使用です

もう少しトレーナーを使用して定期観察を続けます

 

T4Kトレーナー・マイオブレイスは指示通り正しい装着をすることができれば、大きな治療効果を得ることができます

4前歯と第1大臼歯の萌出している混合歯列期の過蓋咬合や上顎前突はT4Kトレーナー・マイオブレイスの適応症となります

久野歯科医院

院長

久野昌士

【成人矯正】審美性を考慮したブラケット(ブレース)使用例

開院116年となりました、知多の矯正歯科専門 久野歯科医院 院長の久野昌士です。
皆様へ役に立つ矯正関連の新情報等を分かりやすくお伝えしています。今後の治療を検討されている方、ご興味のある方の参考になれば幸いです。

【記事更新日】2024年1月26日19時

 

審美ブラケットを使用した本格矯正の治療例

前回執筆のお役立ちブログ内にて、お伝えした審美ブラケットの種類について具体的な使用例を提示いたします。
実際の写真と共に、確認をすると分かりやすと思います。是非ご覧ください。

 

1:セラミックブラケットとホワイトコーティングワイヤーを使用した矯正症例

八重歯が主訴の症例で、矯正治療を開始する前に撮影した正面写真となります。

 

こちらは治療中の正面写真です。
ワイヤーの固定に、クリアのモジュールゴムを使用することで、さらに目立たなくなります。
矯正治療中の見た目を気にされる方に適しています。

 

上は矯正歯科治療後の正面写真です。
治療前と見比べると一目瞭然です。綺麗に整っています。

 

2:プラスティックブラケットのクリアブラケットへホワイトコーティングワイヤーを使用

こちらは叢生が主訴の症例の矯正治療前 正面写真です。

 

プラスティックブラケットのクリアブラケットと、ホワイトコーティングワイヤーを使用している治療中の正面写真となります。

 

こちらは治療後の正面写真です。
矯正治療前と後を是非比べていただければと思います。

 

3:クリアブラケットとゴールドメッキワイヤーのクリアスナップを使用した矯正例

主訴が叢生で、歯を抜くことなく矯正治療を行った患者様の治療前 正面写真。
「できれば歯を抜かずに治療したいです」といったお声をよく耳にします。
患者様のお口・歯並びの状態を確認の上、可能であれば抜歯をすることなく矯正治療を行います。

 

クリアブラケットとゴールドメッキワイヤーにクリアスナップを利用。
治療中の正面写真となります。

 

矯正治療後の正面写真です。

 

4:クリアブラケットにホワイトコーティングワイヤー・クリアスナップを使用

上下顎鞍上歯列弓と叢生を主訴としている抜歯が必要な治療前 正面写真です。

 

上下顎の前歯に対して、クリアスナップを使用した治療中の正面写真です。

 

5:当院のクリアブラケットと標準的ワイヤーを使用した矯正歯科治療例

上顎前歯の突出と叢生が主訴の患者様の治療前 正面写真となります。

 

上写真は、矯正治療中の正面写真です。

 

治療後の正面写真となります。ホワイトニングも行い、完了時のお写真です。
歯並びが改善されたと共に歯も白く美しくなっています。

どの治療装置を使用しても、矯正治療の仕上がりに影響はありません。

 

矯正治療後、自信を持って人前でお話をしたり、笑顔になることができるようになりました!
といったお喜びの声を多数いただきます。
そのような患者様からの生の声が矯正歯科医にとって、大きな励みとなります。

これからも歯並びのお悩みの方にご満足をいただける矯正歯科治療に努めてまいります。
お口のことや歯並びのことで、気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
もしすぐに返信ができない場合にも、必ずメール返信をさせていだきます。

 

——記事の執筆者紹介——
矯正歯科治療でお悩みの患者様の疑問・不安へお応えします!
知多 矯正歯科治療相談室 運営 久野歯科医院 院長 久野昌士

【院長の主な略歴について】
・昭和57年:東京歯科大学を卒業。
・昭和57年から昭和61年:東京歯科大学補綴第二講座に在籍する。
・昭和62年から平成1年:愛知学院歯学部口腔外科第二講座研究生。
・名古屋YDCAスタディグループに所属
「コンプリートデンチャー研究会」へ在籍しつつ
名古屋顎矯正研究会等へと参加。
より良い矯正歯科治療を患者様へとご提供できるよう、
 新たな治療技術・歯科知識を積極的に取り入れる。
————————————————

【小児矯正系】混合歯列期の矯正歯科治療について

知多市南部からも通いやすい、矯正歯科治療専門 久野歯科医院の院長 久野昌士です。

皆様に役に立つ矯正治療関連の情報を分かりやすく掲載/解説をしています。今回は小児矯正として、ご相談をいただくことが多い混合歯列期の矯正に関する具体的な治療内容と注意点についてです。

【記事の更新日】2023年12月26日11時半

 

混合歯列期に行う矯正歯科治療

お母様・お父様、保護者様がお連れする子供の矯正患者様として来院されるのは、混合歯列期が圧倒的に多くなっています。

その理由として、5歳から6歳にかけて下顎乳前歯から下顎永久前歯へと交換した際に現れる不正を主訴とすることが挙げられます。
新たな大人の歯へと生え変わった時、お子様も親御様もやはりその状態・歯並びへ焦点が当たります。

 

混合歯列期の治療対象

この歯の生え変わりの時期に大切なことは以下となります。

まず矯正歯科治療の対象となるのは骨格(Skeletal)、機能(Function)、習癖(Habit)将来萌出してくる永久歯のスペースの確保で、各個の歯(Dental)は最後になります。

こちらの考え方はT4Kトレーナー・マイオブレイスによる矯正治療でも、従来の1期治療でも同じであると考えます。

 

では、より具体的に気になる症例/リスクと注意点等をご紹介します。

 

 

大きな水平被蓋を持つもの

上顎前歯が下顎前歯の位置よりも大きく前方へ突出をしていて、口の周りの筋肉に緊張がある状態。前歯の突出のため、外傷も受けやすくなります。
そして心理的な影響も考えられます。

 

反対咬合について

機能的な反対咬合の矯正歯科治療、前歯の1歯の反対咬合など。
永久歯の交換のためのスペースの確保、獲得。

正中離開 等のために萌出の障害となる場合や、乳臼歯の早期脱落のため永久歯の萌出位置の確保など。

 

不良習癖の除去について

吸指癖、咬唇癖、弄舌癖、異常嚥下癖などの悪習癖はこの時期に取り除く必要があります。
開咬などの大きな原因になる異常嚥下癖は、この時期に適切に改善することができないと除去が困難になります。

 

顎関係の異常時について

顎外固定(装置)を利用し、第1大臼歯 後方への移動を試みる場合もあります。

 

交叉咬合

混合歯列期の交叉咬合は、顎顔面の非対称ではなく、機能的に下顎を偏位させている場合が多くあります。

悪習癖による上顎歯列弓の狭窄等での乳歯の早期接触には、咬合調整や歯列弓の拡大を行います。特に交叉咬合は早期の処置が必要となります。

 

今回ご紹介をした症例以外にも、気になる点がありましたら、専門の矯正歯科医に一度診てもらうのがやはりお勧めです。
知多市の久野歯科医院では随時、お子様の混合歯列期の矯正相談を受け付けています。

症例によっては早めの歯科治療が効果的なケースもあるため、迷われた際はお気軽にご相談ください。
お子様の歯やお口の状態を確認の上、適切な処置や暫くの様子見などの判断をいたします。

 

——記事の執筆者紹介——
矯正歯科治療でお悩みの患者様の疑問・不安へお応えします!
知多 矯正歯科治療相談室 運営 久野歯科医院 院長 久野昌士

【院長の主な略歴について】
・昭和57年:東京歯科大学を卒業。
・昭和57年から昭和61年:東京歯科大学補綴第二講座に在籍する。
・昭和62年から平成1年:愛知学院歯学部口腔外科第二講座研究生。
・名古屋YDCAスタディグループに所属
「コンプリートデンチャー研究会」へ在籍しつつ
名古屋顎矯正研究会等へと参加。
より良い矯正歯科治療を患者様へとご提供できるよう、
 新たな治療技術・歯科知識を積極的に取り入れる。
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審美性を考慮した目立たないブラケットとは?

痛みの少ない歯科治療に努め、知多市南部からも近距離の矯正歯科専門 久野歯科医院 院長です。
皆様に役に立つ矯正歯科関連の情報を分かりやすくお伝えします。

本日は「矯正治療時に使用するブラケット」に関する話題となります。専門的な視点で解説していきたいと思います。

【記事の更新日時】2023年11月30日(木)18時半

 

矯正歯科で使用するブラケット(ブレース)について

当院で主に使用しているブラケットは、プラスティックブラケットのクリアブラケットです。

セラミックブラケットは患者様からのご相談時に説明し、患者様のご希望がある際に使用しています。
現在はメタルブラケットに関しては、通常使用していません(ご希望があれば使用可)

 

プラスティックブラケットのメリット/デメリット

■主な欠点

プラスティックブラケットは一般的に以下の欠点があります。

・材質が硬くなく、耐久性に欠けるので長期の矯正歯科治療には不向き

・プラスティックのため、長期間の使用によって変色してしまう

・ワイヤーの滑りが悪いため、歯の移動が遅い

などのデメリットが挙げられます。
これを踏まえ、当院で使用するクリアブラケットはスロットが金属でできているため、ワイヤーの滑りの問題を解決することができます。

 

■利点

・ブラケット自体の硬さが適度で、摩耗するため歯を痛めることがない

・メタルブラケットに比べ高価だが、セラミックブラケットよりも安価

・ブラケットを取り除く際の痛みを緩和でき、比較的容易に取り除ける

・矯正治療中にブラケットの付け直しも迅速に可能

 

 

セラミックブラケットのメリット/デメリット

■利点

・歯に近い色調を持ち合わせ、審美ワイヤーとモジュールゴムを使用することで、さらに審美性が高まる

・上記審美性は大きなメリットで、患者様の目立たない矯正治療のご希望に近づく、表側矯正の優れた装置である

 

■欠点

・材質的に歯より固いので歯を摩耗させ、歯を痛める可能性がある

・セラミックはプラスチックに比べ粘りが無いので脆く、ブラケットのウイングが欠けるケースがある

・欠けた部位にもよるが、欠けた要因でワイヤー保持が不十分となった場合、装置の付け直しが必要

・取り除く際もプラスティックに比べ硬く、取り除くい。歯に不快な振動を与えやすい

・セラミックブラケットは、プラスティックブラケットに比べ高価

このようにプラスティックブラケットとセラミックブラケットを総合的に比較する必要があります。そして、当院ではプラスティック材質にメタルでできたスロットが組み込まれたクリアブラケットを標準的に使用しています。

 

 

”機能性と審美性”をもったクリアブラケット

クリアブラケットはスロットがメタル色のものとゴールド色のものがあります。

ワイヤーに関しても通常のタイプとゴールド色のタイプがあり、他にも歯の動きに影響を与えない外側のみをホワイトコーティングしたワイヤーを取り揃え使用します。

クリアブラケットには「クリアスナップ」という結紮線があります。
またモジュールゴムに替わるワイヤーを保持する目立ちにくいアクセサリーも用意されています。

審美性において、舌側矯正・マウスピース矯正には劣ります。
しかし審美性が考慮されており、機能的に優れ、確実性もあり、これまで蓄積されてきた信頼度も高いオールマイティーな表側矯正と言えます。

現在でも、成人矯正治療の第一選択(ファーストチョイス)であることに間違いないと考えます。

 

いかがでしたでしょうか?
本日詳しくご紹介したブラケットについて、「もっと詳しく知りたい!」「一度 色々と相談したい」といった方はメール・お電話・ご来院いただき、ご相談をいただければと思います。

矯正歯科治療に関するご相談はお気軽にどうぞ。

 

——記事の執筆者紹介——
矯正歯科治療でお悩みの患者様の疑問・不安へお応えします!
知多 矯正歯科治療相談室 運営 久野歯科医院 院長 久野昌士

【院長の主な略歴について】
・昭和57年:東京歯科大学を卒業。
・昭和57年から昭和61年:東京歯科大学補綴第二講座に在籍する。
・昭和62年から平成1年:愛知学院歯学部口腔外科第二講座研究生。
・名古屋YDCAスタディグループに所属
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矯正治療中の痛みの種類と対応策

矯正歯科治療をご検討されている方や治療中の方に役立つ歯科関連の情報をお伝えしている、知多 矯正歯科相談室 院長の久野昌士です。

本日は多くの患者様が気にされる、矯正歯科治療を行う際の痛みとそれに対する対応策についてを詳しく解説いたします。現在治療を行っている際中の方も、これからの治療を考えている方にもとても参考になる内容です。

当院には愛知県知多市南部からも多くの患者様がお越しになっています。「実際に直接治療について、詳しく一度相談したい」といった方はお気軽にご連絡下さい。様々なお悩みや心配について、分かりやすく見解をお話します。

【記事のアップデート日時:2023年11月20日(月)14時】

 

矯正歯科治療中に生ずる痛みについて

患者様が矯正歯科治療を見送られるご理由・デメリットの一つとして、治療中に感じる痛みが大きな要因として挙がるのではないでしょうか?

矯正治療中の痛みには様々な種類があります。歯を移動させるときに起こる痛みブラケット(ブレース)と唇などの軟組織の接触で起こる口内炎による痛みワイヤー後端が頬の奥などの口腔軟組織を傷つけることによる痛み抜歯による痛みなどがあります。

 

ブラケットによる口内炎等の痛み

八重歯(犬歯低位唇側転位)等で歯列弓から外側へ外れた歯へ装置を付けることで、唇などの口腔軟組織を傷つけ、口内炎が発生しやすくなります。

 

こちらへの具体的な対策としては、歯科医院でお渡しする専用のワックスを口内炎の原因となる、突出しているブラケット(ブレース)へ付ける方法があります。この処置により刺激を少なくすることができます。

 

そして、ワイヤーが入りレベリングが進んでくると生体反応もあり、次第に口内炎の痛みは少なくなってきます。ワイヤー後端による軟組織の傷の痛み レべリングが進んできて、叢生等の改善がみられてくると歯列弓が整ってきます 。

 

他、犬歯・前歯の後方移動(リトラクション)が進んできた際、ワイヤー後端が後方のチューブから突出し、奥歯の頬の粘膜を傷つけることが要因で痛みが発生します。

こちらへの効果的な対策は、適正な長さにワイヤーを切断し後端をしっかりと曲げます(シンチバックと呼ぶ) さらにワイヤー後端部をソフトレジンで覆うといった方法もあります。
この2つの対策によって、治療時に感じる痛みを軽減・解消することが可能です。

 

歯を移動させる時に生じる痛み

矯正歯科治療で最も患者様を悩ます痛みがこちらです。

ブラケットを付けワイヤーを装着して暫くすると、その日の内に上下の歯を接触させた際「歯が浮いた」ような持続的痛みが出てきます。

こちらの痛みの程度は個人差がありますが、どうしても避けられない痛みです。この痛みはブラケットとワイヤーをしっかりと結紮したり、ワイヤー交換を行う度、程度の大小はありますが起こります 。

 

痛みのピークは、一般的に数日ほどで1週間前後で徐々におさまります。

また、この歯を移動させる際に起こる痛みは違和感を含め、小児のT4Kトレーナー・マイオブレイスなどの既成の顎機能矯正装置や、インビザライン・アソアライナーに代表されるアライナー矯正(マウスピース矯正)でも発現をします。ですが症状は比較的軽いです。

 

こちらの痛みへの対策もあります。上下の歯を接触させた時の痛みには効果は少な目ですが、一時的な自発痛が強ければ痛み止めの使用も可能で、一定の効果を期待できます 。

一般的な痛みに対して、歯科医院でよく使用される鎮痛剤にはロキソニンボルタレンのような非ステロイド性の抗炎症薬(NSAID)があります。

 

歯の移動は、牽引側と圧迫側にて 破骨細胞と骨芽細胞の働きにより、骨の吸収と添加を繰り返しながら起こります 。

矯正力の加わっている歯には炎症反応が起こっており歯の移動が行われるため、非ステロイド性の抗炎症薬(NSAID)を使用することで炎症を抑えることになり、歯の移動が起こりにくくなります。

そのため、使用する鎮痛剤は抗炎症効果のないアセトアミノフェン(カロナール)を使用すると良いでしょう。

アセトアミノフェンは非ステロイド性の抗炎症薬(NSAID)のように、副作用としての胃腸障害が少なく、妊婦や小児にも使用できる安全な解熱鎮痛剤です。ロキソニンなどの抗炎症薬に比べ、アセトアミノフェンの鎮痛効果はマイルドですが1回に1錠500mgものを2錠飲むことができます。6時間おきならば、4回(4000mg)まで飲むことが可能です 。

 

その他にも別の方法として、氷を口に含んだり、冷やすことで痛みを和らげることもできますが、同様の理由で歯の動きが弱まる可能性があるため注意が必要です 。

 

抜歯による術後の痛み

矯正歯科治療で適正な位置へ歯を移動させるスペース確保のため、抜歯・親知らずの抜歯時に非ステロイド性の抗炎症薬(NSAID)にて対応します。術後の感染が起きないように抗生剤の投与が必要です 。

 

矯正歯科治療時に起こる痛みについて、あらかじめ発現する痛みの原因その対応策を理解した上で上手に痛みと付き合う姿勢が痛みの軽減に役に立つと考えます。

また、治療時の痛みに関して無理をして我慢するのではなく、適宜信頼できる歯科医師に連絡と相談をし、無理なく適切に治療に取り組むことも重要と言えます。

 

——記事の執筆者紹介——
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【院長の主な略歴について】
・昭和57年:東京歯科大学を卒業。
・昭和57年から昭和61年:東京歯科大学補綴第二講座に在籍する。
・昭和62年から平成1年:愛知学院歯学部口腔外科第二講座研究生。
・名古屋YDCAスタディグループに所属
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 新たな治療技術・歯科知識を積極的に取り入れる。
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矯正治療時に行う、歯の移動を解説

皆様へ役立つ矯正歯科の情報を分かりやすくお伝えしている、知多 矯正歯科相談室 院長の久野昌士です。

皆さんは歯の矯正を行う際、どのような点に気を付けて、どういった流れで歯の移動が行われるか?について、詳しく知る機会があまりないかもしれません。ただ、現在矯正治療をされている方やこれからしようと検討している方は、実際に矯正時の歯の移動とはどういったものか?を認知された方が良いと考え、本日は詳しく解説をします。

【記事の更新日時】2023年11月23日12時半

 

矯正治療時の歯の移動について

歯を移動させる力とは?

歯に対し何らかの矯正力を加えると、その力は歯の根の部分から歯周組織の歯根膜を経て、歯の植わっている骨(歯槽骨)へと伝わっていきます。

矯正歯科治療に適した力が歯周組織に伝わると、歯の根の部分(圧迫側)で骨吸収が起こり、圧迫側とその反対側の牽引側で骨の修復がされ、適正な歯の移動が行えます。

 

※「矯正治療時の矯正力が適当である」と思われる歯の状態とは以下とされています。

・矯正力の働いている歯に自覚的な痛みが無い

・歯をたたいても、著しい反応がない

・歯の動揺 及び緩みが著しくない

・歯や顎の位置が処置方針どおりに移動している

・歯根膜や歯の周囲組織に病的変化が認められない

 

 

歯の移動の仕方について

歯の移動の仕方には、普段あまり聞かないフレーズかと思いますが、「歯体移動」と「傾斜移動」というものがあります。

 

歯体移動:歯体移動とは、歯の長軸をできるだけ傾けないように平行に移動させるようにします。

傾斜移動:傾斜移動は、歯の長軸を変えるような移動の仕方をいいます。

 

現在のワイヤーとブレースを使用した一般的且つ主な矯正歯科治療では、歯体移動を主にして傾斜移動も使用し歯を移動させていきます。

アソアライナーに代表されるマウスピース矯正では、傾斜移動が中心になりますので抜歯が必要な矯正歯科治療にはあまり適していないと言えます。

インビザライン等では、歯の表面へアタッチメントと言う突起を付け、歯の動きをコントロールします。抜歯症例にも対応していますが、予想外の歯冠の傾斜などに対するフォローが必要になってくるケースもあります。

 

 

固定(抵抗源)Anchorageとは?

物体がある力で引っ張られた場合、その反作用として必ず同じ力が引っ張る側にも加わります。

矯正歯科治療で歯や顎を移動させる場合も同じです。移動する目的の歯に抵抗する場所がなければなりません。

これを「固定源(抵抗源)」と言い、単に「アンカー」と言うこともあります

 

固定はその固定源となる部位によって、顎内固定・顎間固定・顎外固定に分けられます。

顎内固定:「抵抗源となる歯」と「移動される歯」が同じ顎の中にある場合を指します。

顎間固定:歯や顎を移動させる場合に、抵抗源を対顎に求めた場合を言います。一般的にはエラスティックゴムを使用します。牽引の方向によって、Ⅱ級ゴム・Ⅲ級ゴム・垂直ゴム等があります。

顎外固定:歯や顎を移動させる場合の抵抗源を口腔外に求めた場合を言います。抵抗源は頭部や頸部に求められます。具体的にはヘッドギア、フェイシャルマスク、チンキャップなどを使用します。

 

とても基礎的なことですが、歯を適正な位置に移動させるには作用と反作用の原理を十分考慮の上、矯正治療に役立てなければなりません。矯正歯科治療を進める歯科医師は、この点を意識して行っています。

 

 

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【小児矯正 知識系】乳歯から永久歯へ交換時の注意点

矯正歯科や小児矯正関連の情報を定期的に解説している、知多 矯正歯科相談室の歯科医師 久野です。

本日はお子様をもたれているお母さま・お父さまなど保護者の方へ是非知っていただきたい「乳歯から永久歯への交換時のトラブルが及ぼす影響」についてを詳しくお伝えします。

【記事の更新日】2023年11月2日(木)19時半

 

乳歯から永久歯への交換時のトラブルは不正咬合へと繋がる

乳歯の早期喪失について

乳歯について、まず下顎乳前歯が生後6ヶ月頃より生え始めて、3歳で乳歯列が完成します。そして6歳で永久歯の第1大臼歯と上下前歯が生えてきます。
12歳までの混合歯列期が終了するまで、お口の健康からお体の健康を維持するためにとても重要な役割りを持っています。

 

その大切な乳歯が何らかの原因(多くは虫歯)で早期に喪失してしまうと、咀嚼機能が大きく低下し全身的 影響を受け、正常な成長発育を阻害することになりかねません。咀嚼機能に重要な、顎の発育にも大きく影響してくるのです。

局所的にも、そして次に生えてくる後継永久歯にも多大な悪影響を及ぼします。生えてくるガイドを失うことによって、本来の萌出位置を見失うことがあり、後継永久歯を傾斜させ、異所萌出の可能性も出てきます。

 

また抜歯後が治癒過程で、骨によって埋まれば埋伏歯となる可能性もでてきます。歯と歯の隣り合った部位に多発した虫歯は歯列の長さを短縮させます。それによって、臼歯の萌出位置をも狂わせかねません。

他にも第2乳臼歯の早期喪失は、第1大臼歯の前方移動や傾斜の危険が危惧されます。さらに乳歯の早期の喪失は対合している歯の挺出も引き起こし、上下的アンバランスを起こします。

 

乳歯の晩期残存について

乳歯は虫歯を代表とする病変に冒されなければ、後継永久歯の発育に伴い、乳歯の歯根は水平的吸収が起きて自然に脱落します。そして永久歯への交換がなされます。

しかし、虫歯や他原因で乳歯の歯髄が冒されてしまうと、乳歯根の吸収が不規則・不安定になり、後継永久歯が生えてくる時期になっても、残っている場合があります。

また後継永久歯が欠如している場合、乳歯は吸収し脱落することなく残存する場合もあります。

 

後継永久歯の位置が大きく違っていると、乳歯は歯根吸収することなく、永久歯は異所萌出をしたり、顎の骨の中に完全に埋まった状態(完全埋伏)になります。これは不正咬合の要因となります。

歯牙腫(オドントーマ)があると、乳歯の歯根吸収が妨げられ、後継の永久歯萌出の妨げになります。

幼少期に遊具からの転落や顔面を強く打ったりする等 外傷の影響で、乳歯は正常な歯髄の役割りが停止して晩期残存し、後継永久歯が異所萌出を起こすといった不正咬合の原因になります。

このようなトラブルのないよう、親御さんは幼少期のトラブルへ充分気を付けなければなりません。

 

永久歯の早期喪失トラブルについて

小児期や青年期にかけて虫歯や外傷によって永久歯を早期に失うと、咀嚼機能を失うだけでなく、早期に失われた歯の空間が時間経過と共に、様々な歯列の乱れ・不正咬合を誘発することになります。

(羽賀通夫著 臼歯の補綴より転載)

 

歯を喪失した隣の歯は、喪失した空間を閉鎖しようと歯冠が傾斜し転位を起こします。喪失以前に噛み合っていた歯は挺出(歯がのびてくる)します。
隣り合っていた歯と歯との接触している部位はゆるみ、食べカスが挟まり全額にわたって咬み合わせの崩壊が起こり、不正咬合の大きな原因となります。

 

特に第1大臼歯は咬み合わせの高さを保持する大切な役割りを担っています(咬合の鍵)。
第1大臼歯の喪失は第2大臼歯の前方傾斜や、第一・第二小臼歯の後方への回転、転位などを引き起こします。そして過蓋咬合や上顎前突の原因になります。

今回ご紹介をしたようなリスクについて、普段気にすることはないかもしれません。
しかし数々の矯正歯科治療を行い、様々な矯正症例を見てきた専門の歯科医師の意見として、今回少しでも認知いただき、お子様の正常な歯の発育/歯並びの形成へと気を付けていただければ幸いです。

 

——記事の執筆者紹介——
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・名古屋YDCAスタディグループに所属
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矯正歯科治療後の保定器具/リテーナーやマウスガード等のお手入れ

矯正歯科や歯科治療関連の情報を分かりやすく解説している、知多 矯正歯科相談室の歯科医師 久野です。本日は患者様からよくご質問いただくアライナーやマウスガードに関する正しいお手入れについてを述べたいと思います。

【記事の更新日】2023年10月23日(木)13時

 

歯ぎしり・矯正治療時のアライナー・リテーナー・スポーツマウスガードのケア

各種取り外し可能なお口の中の装置

リテーナーは矯正歯科の動的治療が終了し、保定治療を継続する上でとても大切な装置となります。

主に小児に使用される床型矯正装置や、トレーナー・マイオブレイスのような既成の顎機能矯正装置は就寝時に必ず装着しなければなりません。

歯ぎしりの防止装置では、お休みの間のブラキシズムにより起こる力を抑制するために就寝中の装着が必要です。

 

目立たない矯正装置であるクリアアライナーは、一定期間で交換するのでアライナー自体のケアは他装置と比べ必要性が少ないかもしれませんが、リテーナーと同様に食事の時以外の連続的な装着を歯科医師より要求されます。

 

取り外し可能な装置のお手入れ方法は?

アライナーは装着時の見た目的に目立ちませんが長時間の装着となるため、お仕事など他の人との対応時・会話時に気になるかもしれません。

スポーツマウスガードにしても、試合中だけでなく練習中でも体が強く接触する場合には装着が必要です。また、試合中よりも練習時の方が長時間の使用が一般的となっています。

 

こういった長時間使用しなければならない矯正治療後のリテーナーの他、マウスピース型装置について、装着時の臭いが気になったり、着色が起こっていたり、ヌルヌル感が出ていませんか?

リテーナーを長く快適に使用するためには、リテーナーに関する十分なお手入れが必要となります。水洗いだけではぬめりが残ったり、臭いの原因菌が増えたりする可能性が高くなるので注意しなければなりません。

 

 

マウスピース型 矯正装置の専用洗浄剤が発売されています

最近はマウスピース型 矯正装置に関して、患者様の興味・需要が高まり、洗浄剤も多くの種類が発売されるようになってきました。

顆粒を水に溶かして使用するタイプや、タブレット状の物を水に溶かして使用するタイプ、スプレータイプの物などが発売をされています。

ご自宅でケアを行う場合は水に溶かして使用するタイプを使用し、仕事中はスプレータイプといった具合にご自分の状況に合った洗浄剤を使用するのが良いでしょう。

またアライナー・リテーナーと歯の表面の間に食べカスや歯垢が残っていると、むし歯になる可能性が大きく高くなるので注意しましょう。

アライナーやリテーナーのケアと共に、普段されているお口のセルフケアをしっかりと行なうように心掛けることが重要です。
当院では矯正治療中の指導は勿論、保定期間中のリテーナーに関するお手入れ方法、装置使用に関する様々なアドバイスを行っております。お困り事がありましたら、お気軽にご相談下さい。

知識・経験豊富な歯科医師が適切と考えるアドバイスをいたします。

 

——記事の執筆者紹介——
矯正歯科治療でお悩みの患者様の疑問・不安へお応えします!
知多 矯正歯科治療相談室 運営 久野歯科医院 院長 久野昌士

【院長の主な略歴について】
・昭和57年:東京歯科大学を卒業。
・昭和57年から昭和61年:東京歯科大学補綴第二講座に在籍する。
・昭和62年から平成1年:愛知学院歯学部口腔外科第二講座研究生。
・名古屋YDCAスタディグループに所属
「コンプリートデンチャー研究会」へ在籍しつつ
名古屋顎矯正研究会等へと参加。
より良い矯正歯科治療を患者様へとご提供できるよう、
 新たな治療技術・歯科知識を積極的に取り入れる。
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T4Kトレーナー・マイオブレイスの注意点

患者様のお身体に負担の少ない矯正治療に努めています、知多地域の久野歯科医院院長です。

皆様に役立つ歯科・矯正関連の情報を分かりやすくお伝えしています。本日は年々需要が高まっているT4Kトレーナー・マイオブレイスにて、小児矯正をされる際のPOINT/注意点についてを詳しく解説したいと思います。

【記事の更新日時】2023年10月31日12時30分

 

T4Kトレーナー・マイオブレイスで小児矯正をされる子供の保護者様へ

お子様の歯列矯正時は、保護者様のご協力が大切

子供の歯列矯正時に、是非ともお願いしたいことがあります。
矯正歯科治療を成功に導くには、お母様・お父様、保護者の方(ご家庭で一番長くお子様と接している方)のご協力が必要です。

子供と一緒になって、これからの矯正治療へ参加されご興味を持っていただくことが大切と考えます。

 

ご家庭でのお口の機能訓練やお口の体操は、一般的に退屈で早期の効果が分かりにくい点がありますが、それをシッカリと習慣化させ、定着させて継続することが必須です。

まずは治療を受けられるお子様と共にそのお母様・保護者の方も、矯正治療を担当する歯科医師を信じて、その指示へ従っていただければ幸いです。

 

矯正装置を未装着では、その効果は得られません

小児矯正治療の際に使用する取り外し可能な装置は、お口の中を清掃する時に都合が良く、お口の中を清潔に保つことができるのが大きな利点です。
しかし、ご自身の意思での装着となるため、その点に注意しなければなりません。

矯正装置を外していれば、もちろんその効果を得ることはできません。

 

取り外しのできる矯正装置(拡大床など)は、10時間以上 連続的に装着をしないと効果が表れにくいと言われています。

また、正しい使用方法を理解の上、矯正装置を装着しないと治療効果が十分に発揮できません。

 

T4Kトレーナーやマイオブレイスは魔法の道具ではなく、矯正装置です。
そのため、定められた装着時間を守ることを意識しましょう。

 

ご家庭での機能訓練がとても大切

口呼吸に関する体への悪影響についての説明や、あいうべ体操の指導、鼻呼吸、嚥下訓練など機能訓練の説明及び指導等は当院で行いますが、大半の機能訓練の時間はご家庭にあります。

家庭での顎機能矯正装置の使用と機能訓練が非常に重要です。

 

そして矯正治療効果の評価は、診察・レントゲン撮影・定期的な模型の採得と口腔内/顔貌の写真撮影を行い、定期的に判断をしています。

せっかく勇気を出して、矯正歯科治療をはじめても矯正装置が正して使われていなかったり、装着時間が短いようでは思うような矯正効果を得ることはできません。

こちらを踏まえ、もしお子様が矯正装置の装着を嫌がり、あまり装着をしていないようであれば、保護者の方が必要性を度々お話いただき、できるだけご本人のストレスのないよう装着する手助けをしていただければ幸いです。

 

——記事の執筆者紹介——
矯正歯科治療でお悩みの患者様の疑問・不安へお応えします!
知多 矯正歯科治療相談室 運営 久野歯科医院 院長 久野昌士

【院長の主な略歴について】
・昭和57年:東京歯科大学を卒業。
・昭和57年から昭和61年:東京歯科大学補綴第二講座に在籍する。
・昭和62年から平成1年:愛知学院歯学部口腔外科第二講座研究生。
・名古屋YDCAスタディグループに所属
「コンプリートデンチャー研究会」へ在籍しつつ
名古屋顎矯正研究会等へと参加。
より良い矯正歯科治療を患者様へとご提供できるよう、
新たな治療技術・歯科知識を積極的に取り入れる。
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